離婚入門(養育費)

1.養育費の支払いが問題となるケース

養育費とは、子の学費や生活費等のための費用ですが、離婚において問題となるのは父と母が別居している場合に、子を監護している側の親(監護親といいます)が、監護をしていない側の親(非監護親といいます)に支払いを求める場合です。

2.養育費の支払いを求める方法

妻が夫と別居をし、子を監護している場合、夫がすすんで妥当な養育費を毎月支払ってきている場合には問題はありませんが、全く支払いをしてくれない場合や、支払ってはいても少なすぎる場合等には、家庭裁判所に養育費の支払いを求める調停を起こすことができます。なお、養育費の支払いを求める場合には、離婚調停の手続きの中で請求することも可能です。
調停で養育費を求めた場合に、当事者間で金額等の折り合いがつかない場合には、裁判所が審判という方法で、妥当な養育費の金額を決定することとなります。

3.養育費の算定方法

養育費の金額は当事者間で自由に取り決めることができますが、当事者間で話がまとまらない場合等には、離婚調停または離婚訴訟の手続きの中で養育費の金額および支払い期間について話し合いをし、それでもまとまらない場合には裁判所がこれを決めることとなります。
このように裁判所が関与する手続きにおいて養育費を決める場合には、裁判所が作成した養育費の算定表が参考とされ、金額が決定されています。
この養育費の算定表を用いることにより、監護親と非監護親のそれぞれの収入額と、監護親が監護する子の人数、年齢が分かれば、一定の範囲で養育費の額が算出できます。
そのため、当事者間の話し合いにおける養育費の金額算定においても、この算定表が参考とされることも多くあります。
具体的な算定例として、例えば離婚後に、元妻が7歳の子ども1人を監護しており、年収(額面)が250万円、元夫がサラリーマンで年収(額面)500万円の場合には、算定表ではおおよそ月額4万円と算定されます。
裁判所が養育費を決める場合には、上記の算定表で算出される金額がそのまま養育費の月額とされることが多いように思われます。
しかし、上記の算定表は子どもが公立学校に通うことが前提とされていることなどから、個々の養育の実情により金額が算定表上の金額から変更される可能性もあり得ます。

4.養育費の支払い期間

養育費の支払い期間についても、当事者間の話し合いで決める場合には自由に決めることができますが、裁判所が関与する場合には、通常、子どもが20歳になる時点までとされることが多い傾向にあります。
もっとも、養育費の支払い期間についても、個別の事情が考慮され、支払い期間が上記の期間とは異なった期間を、裁判所が決定する場合もあり得ます。

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